不々落々(ぶらぶら)
『百器徒然袋』より「不々落々」
山田もる提灯の火とは見ゆれども、まことは蘭ぎくにかくれすむ狐火なるべしと、ゆめのうちにおもひぬ
不々落々は、提灯と見せかけた狐火の一種である。
提灯の見てくれなのに狐火であることは、石燕が解説文において
「山田もる提灯の火とは見ゆれども、まことは蘭ぎくにかくれすむ狐火なるべしーー」
と書かれている。
因みに、提灯からベロが出ている化け物というのは馴染みのあるものだとは思うが、古くから伝わる妖怪で提灯型といのは実は資料がすごく少ない。
この不々落々も結局は狐の仕業なわけで、純粋な提灯の付喪神ではないわけで。
ではなぜ提灯の化け物はこんなに浸透したのだろうか?
僕は結構マジに、
「そこそこ古い道具だし描きやすいし」という理由で流行ったんじゃないかと思っている。
真実はどうであれ、そんな風に広がって浸透するモノゴトというのは案外あるものだから。