狂骨(きょうこつ)
『今昔百鬼拾遺』より「狂骨」
狂骨は井中の白骨なり
世の諺に、甚しき事をきやうこつといふも、このうらみのはなはだしきよりいふならん
狂骨は井戸からぬらりと出てくる骨のような妖怪。
石燕の解説文には、「狂骨は井中の白骨なり。世の諺に、甚しき事をきやうこつといふも、このうらみのはなはなだしきよりいふならん」とある。
狂骨は井戸の中より出てきた白骨であり、甚だしい事を「きょうこつ」と言うのは、この狂骨の恨みが甚だしいことが由来だよ、のような意味である。
また、髐骨(ぎょうこつ)という言葉もあり、それは肉の削げ落ちた白骨の事を指す。ふむふむ、確かにこの狂骨も髐骨である。
更に、軽忽(きょうこつ)という、軽はずみな様、ばかげた事などを表す言葉もある。ふむふむふむ、確かに狂骨もなんだか軽そうだし(?)ばかげている。
そう考えると、この狂骨も石燕が言葉遊びで創作した妖怪なのではないか? と思える。
しかし謎は多く、なんだか髪の毛があるようにも見えるし、服を着ているようにも見える。この辺りも、無学な僕では到底解らない洒落などが隠されているのかもしれない。