妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

妖怪って何種類いるの?

妖怪が一体何種類存在しているのか? それも気になる方は多いでしょう。

しかし妖怪自体がよく解らない現象を指すものであったり、絵師によって創作されたものであったりする以上、正確に「〇〇〇種類ダヨ」と言う事は不可能です。

実際、現代のみならず江戸時代やそれ以前にも、数多の妖怪が浮世絵師達によって「新たに生み出され」てきたわけです。つまりこの質問への答えは――

 

インフィニッッティィィィッッッ!

 

無限に増え続ける可能性がある、ということですね。

極端に言えば、毎日数億種類づつ増えたっておかしくはないわけです。人がいる限り。

 

それでも――

「は? そんな適当な答えじゃ納得しねぇよ」

と言うあなたの為に、比較的定着している妖怪でざっと考えてみましょうそうしましょう。

まず、水木しげる御大も多く模写している、鳥山石燕の『画図百鬼夜行』シリーズに載っている妖怪の総数を数えてみましょう。この画集はまさに妖怪画のルーツと言っても過言ではないので。(『画図百鬼夜行』については『画図百鬼夜行』とは? をご覧ください)

僕も『画図百鬼夜行』シリーズからは多くの妖怪をこの妖怪図鑑に頑張って載せていますが、その数は相当なものです。だって大変で終わりが見えないもの。

 

まず最初の『画図百鬼夜行』は、52妖怪。

次の『今昔画図続百鬼』が54妖怪。

次の『今昔百鬼拾遺』が50妖怪。

最後の『百器徒然袋』が50妖怪。

ざっと合わせて200妖怪です。

 

では次に、ちょうど今目の前にあったので、水木しげる先生が絵を描き解説し、それを村上健司氏がまとめた『日本妖怪大辞典』なる神聖な辞典に掲載されている妖怪数を数えます。……と思ったら帯に書いてありました。

 

なんと総項目数1592! だそうです。

 

最低でも1500以上はいる、というわけですね。

というか、神もまた多くの場合妖怪化していて、日本には八百万の神がいますから、そういう意味では八百万の妖怪もいるのではないでしょうか。まぁ、これもイッパイって意味でしかないんでしょうけど。

――そして勘違いしないでほしいのが、何も絵になっている妖怪だけではないということ。

それこそ地域に根差した言い伝え等の中に出てくる妖怪も沢山存在し、絵として描かれていない妖怪も沢山います。そしてそのような地域ごとの伝承内で語られる妖怪こそ、妖怪を深く知る上では重要であり、真のルーツとなっているトコロなのです。

 

――さて、お解りかとは思いますが、妖怪というのは全て「人がいるから生まれたモノ」です。それが地域特有の怪異が元であったり、絵師が勝手に描いたり、その由来は様々ですが、人無くして決して生まれないものなのです。

これは逆に考えれば、誰にでも生み出すことができる、ということ。

妖怪を産みだす行為を取り締まる法律なんてもちろんありませんから、あなたが今適当に絵を描いて、「これ、あたらしい妖怪な」と言い張れば、それはもう立派な妖怪なのです。その妖怪の深みや、一般的に知れ渡るようになるかは別として……。

ただし、都市伝説などで見られるトイレの花子さんや口裂け女といったモノは、どうしても妖怪というカテゴリに入れにくい気がします。それはまさに歴史が浅いことと、妖怪の根源が自然界と人間界の接点から生じるものであることに関係している気がします。なんというか、トイレの花子さんなどの都市伝説は、都市的過ぎる気がするのです。うまく言えなくて申し訳ないのですが。

 

妖怪は決して終わってしまったモノではなく、今でも、いつでも、育ち続け、また増え続けているモノだという事は忘れてはいけません。

 

妖怪の秘めた無限の可能性。これこそ怪異!