天逆毎(あまのざこ)
『今昔画図続百鬼』より「天逆毎」
或書ニ云
素戔嗚尊ハ猛気胸ニ満チ、吐テ一ノ神ヲ為ス
人身獣首、鼻高ク耳長シ
大力ノ神ト雖モ、鼻ニ懸テ千里ヲ走ル
強堅ノ刀ト雖モ、噛ミ砕テ段々ト作ス
天逆毎姫ト名ヅク
天ノ逆気ヲ服シ、独身ニシテ児ヲ生ム
天ノ魔雄神ト名ヅクト云云
摸捫窩主人賛
天逆毎は、天狗や天邪鬼の祖先と伝わる日本の女神である。
名の通りその性格は天邪鬼に似ており、全く逆の事を言ったり、物事が自分の思うようにいかないとすぐに暴れたりするメチャクチャな神様だったようだ。
天逆毎は、かのヤマタノオロチ退治で有名な須佐之男命(すさのおのみこと)が体内に溜まった気を吐き出し、形作られた姿だと言う。
また、天逆毎は天雄魔神(あまのさかおのかみ)という子供をもうけるが、天雄魔神は後に九天の王となり、悪い神様達の頂点へと君臨した。
石燕が描いた絵には天逆毎と天雄魔神の親子が揃って描かれており、なかなか貴重な極悪人図になっている。
因みに画中解説文には、難しそうな漢文が書かれているが、今ここで書いてきたことが書かれているだけなのでなんてことはない。
※興味があれば天邪鬼もご覧くだされ。