大禿(おおかぶろ)
『今昔画図続百鬼』より「大禿」
伝へ聞、彭祖は七百余歳にして猶慈童と称す
是大禿にあらずや
日本にても那智高野には頭禿に歯あばらなる大禿ありと云
しからば男禿ならんか
大禿は、こう見えて男の妖怪である。
禿とは簡単に言えばおかっぱ頭のことで、主に幼い女の子がする髪型であった。
また別の意味で、女装する時に被るカツラもそのように呼んだ。
石燕の解説文には、彭祖(ほうそ)という仙人が七百歳になってもまだ「慈童」と名乗っていた事が書いてある。彭祖とは男女問わず性交を行い、それによって長寿を得ていたという仙人であり、この大禿もそうだと言う。
また、大禿が着ている着物には菊の花が沢山描かれているが、菊というのは男色を意味する隠語でもあったため(菊の花が肛門を連想ゴニョゴニョ)、大禿はやはり男色の少し変わった妖怪であることがわかる。
妖怪と言っていいのかはわからないが、とにかく江戸時代における男色の風潮や、言葉遊び、謎解きで石燕が創作したモノであるとの説が濃厚である。
ある意味、一般的な人間にとっては襲われたら一番怖い妖怪かも知れ
アッー!