妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

以津真天(いつまで)

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『今昔画図続百鬼』より「以津真天」
 
以津真天は、太平記に出てくる広有という弓の名手に退治された妖怪。
太平記によれば、疫病の流行っていた年、「いつまでも、いつまでも」と毎晩鳴く怪鳥がいたという。それを源頼政の鵺退治に倣い、弓の名手に退治してもらおうと、広有という男に帝から命が下った。そして広有は見事鏑矢(かぶらや)でその怪鳥を退治したという。
 
その太平記での物語を元に、石燕が鳴き声を名前にした「以津真天」という妖怪を創り上げたとされている。
 
因みに姿は太平記にもあるように、人の顔に尖ったクチバシ、蛇の体に翼、と非常に怖い妖怪になっている。
疫病が流行った年の、恐ろしく忌々しい怪鳥。地獄の苦しみに喘ぐ人々がこのような怪鳥を夢想していたとしてもなんら不思議ではない。
いつまでこの苦しみは続くのか……
いつまでも……
いつまで……
 
画中解説文
広有、いつまでいつまでと鳴し怪鳥を射し事、太平記に委し。
 
うぃき訳
広有、いつまでいつまでと鳴く怪鳥を弓矢で射た事は太平記にも書いてあるね。