妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

塩の長司(しおのちょうじ)

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『絵本百物語』より「塩の長司」

 

塩の長司は、馬食を好んだ長次という男の奇談。

長司は長者であり、家にはたくさんの馬を飼っていた。ある日より馬を食べることにハマった長司は、どんどん家の馬を食べていく。すると当然馬が少なくなってきた。長司はそれでも悪食をやめず、なんと老馬を打ち殺して食べてしまった。

するとその日を境に、長司の夢の中に馬が現れるようになった。さらに長司は高熱を出し寝こんでしまい、毎晩老馬を殺した時刻になると、長司の口から馬が入り込み、腹の中を暴れまわる幻覚を見るようになってしまった。

そして長司は医者の努力も虚しく老衰していき、やがて死んでしまった。

死に際の恰好は、まるで重い荷物を背負った馬のような姿だったという。

 

個人的には、飼ってた馬なんだから食べてもいーじゃん、とも思うが、『絵本百物語』の解説によれば「常日頃世話になってる家畜を邪険に扱うからこうなるんだ」とのこと。なるほどすみません。

暴飲暴食と牛飲馬食には気を付けましょう。

 

画中解説文

家に飼たる馬を殺して食しより、馬の霊気常に長次郎が口を出入なすとぞ。

この事はむかしよりさまざまにいひつたへり。

 

うぃき訳

家で飼ってる馬を殺して食べてたから、馬の霊気が常に長司の口を出たり入ったりするんだ。

この事は昔から色んな形で言い伝えられてるよね。