風の神(かぜのかみ)
『絵本百物語』より「風の神」
妖怪としての風の神は、偉大なる風神のイメージとは少し違う。
古来より病などをもたらす妖怪として恐れられ、風の神が吐く息に触れると病気になると言われていた。その為、風がもたらす邪気として、カゼを「風邪」と書くようになった。
風の神が吹く息は黄色で、陰陽五行では土にあたり、また湿気でもある。
邪気はものの隙間を狙って入ってくるものであると言う。貧乏神は人々の油断の隙間を狙い、風の神は暖かさと寒さの隙間を狙ってくるーーらしい。
画中解説文
風にのりて所々をありき、人を見れば口より黄なるかせわを吹かくる。
其かぜにあたればかならず疫傷寒をわづらふ事とぞ。
うぃき訳
風に乗っていろいろなところを歩き、人を見れば口から黄色い風を吹きかけるよ。その風に当たれば必ず病気になっちゃうんだ。