蛤女房(はまぐりにょうぼう)
『御伽草子』より
鶴の恩返しに似た逸話を持つ妖怪「蛤女房」は、 逃がしてくれた男の元へ恩返しに現れたとされる。
とにかく味噌汁を作るのが上手いらしい。なんと素晴らしい女房っぷりか。
まさに嫁にしたい妖怪である。
しかし、上手い話と美味い味噌汁には裏がある。
一体どうしたらこんなに美味い味噌汁が作れるのか? と疑えば最後、なんと蛤女房は自分の小便を味噌汁にぶち込んでいたのだ。蛤エキスいっぱい!
そうして蛤女房は男に怒られ、泣く泣く海へと帰って行く。
蛤女房の訳あり味噌汁にも耐え、愛し通せる優しい男に釣られる事を、蛤女房は今日も海で待っている。