妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

妖怪検定対策――の前に見上げてごらん

見越し入道系妖怪まとめ

妖怪検定ではまだまだ間違えやすい妖怪達がうようよいます。

前回はカッパをやりましたが、今回は見越し入道系。

御存知「見上げれば見上げる程大きくなる」タイプの妖怪で、全国に似たような系統の妖怪がいる、検定などでは特に厄介な妖怪です。

 

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 まずは『図説 日本妖怪大全』の見上げ入道を見てみましょう。

 

見上げ入道(みあげにゅうどう)

見越し入道ともいう――という書き出しになっています。僕なんかは見越し入道で覚えちゃってます。

この項には、佐渡、長崎、愛知、四国は宇和島、と四つの異なる見上げ入道の事が書かれています。厄介です。一体どの文章が出るのか? そう、丸暗記に越したことはないということですね。

対処法も様々ですが、基本は「見上げ入道、見越した!」と言えばOK。

ただ若干文言が変わっていて、長崎県では「見越入道、見抜いた!」。愛知では先に声を掛けなければ死んでしまうらしく、先に「見ていたぞ」と声を掛けます。

細かな対処法も充分出題される可能性があるので、キツイのですがしっかり覚えておくといいかと思います。

 

ではここから他県のマニアックな呼び方、かつ妖怪大全に載っているものを紹介します。

 

大入道(おおにゅうどう)

段々と大きくなる――という記述は無いのですが、細かな要素から見越し系に入れていいのではと思うので紹介。

こちらは覚えやすいです。というのは、舞台が仙台城下、退治しに向かうのがあの伊達政宗だからです。そして退治した妖怪の正体は、大川獺。

大入道、仙台、政宗、大川獺、で覚えておけば役に立つかも知れません。

 

次第高(しだいだか)

次第に高くなる――ほどのことでしょうか、山口県厚狭郡、阿武郡に出るとされる見越し入道系妖怪です。

さらにこの項には島根県に伝わる「しだい坂」の逸話が載っておりややこしさ満点です。

 

高坊主(たかぼうず)

絵だけ見ると毛だらけの柱にしか見えませんが、四国は徳島県、香川県などでは高坊主と言います。『百物語評判』の逸話も載っており、そこでは京都が舞台になっています。

 

 

 高入道(たかにゅうどう)

こちらは京都、愛知に出たとされる高入道。段々と大きくなる記述はないものの、名前からしてここで紹介していいのではと思いますので。

三河(愛知)には一丈三、四尺の大きさの高入道が出た、とされています。三河での高入道の逸話では、遭遇した男は十三日目に死んでしまい、高入道の正体は疫病の神なのでは、とされているのが特徴です。

 

入道坊主(にゅうどうぼうず)

見上げ入道の項にも書かれていた、入道坊主。こちらも愛知県です。

最初は三尺(90センチ)ほどの大きさですが、近づくとどんどん大きくなり、七、八尺にもなると言います。

正体はイタチであると言い、ただ見上げているだけだと喉笛を噛み切られるのだとか。対処法は、足を掴んで地面に叩き付けるといいのだそうです。

さらにこの項には岩手県は遠野の入道坊主の逸話も載っています。

 

のびあがり

こちらは愛媛県の見越し入道系妖怪。

地元の人は川獺が正体だとしているようです。

対処法は、地上から三十センチの所を足で蹴るか、または目を反らせば消えて行くといいます。

正体がイタチとされていた入道坊主と対処法が似ています。愛知と愛媛も愛つながりで間違えやすいですし、特に注意しとかないと見越されそうです。

 

 

 

 さていかがでしょう。

まずは検定で出題された問題を読んで「見越し入道系」であることを看破し、さらにそこから「どの妖怪か」を考えねばなりません。

ただなんとなく覚えているだけでは、とてもじゃありませんがこれらの中から絞り込むのは難しいのです。

正体や対処法、さらには出没地からふるいにかけて答えを導き出さねばなりません。

特に愛知県の高入道、入道坊主は要注意。大きさと、正体が違っているのでそこで見極めましょう。

甘くないのだ妖怪検定! だがそこがいい!