がしゃどくろの裏の物語、大宅太郎光国
月岡芳年『和漢百物語』より「大宅太郎光国」
大宅太郎光国、と聞いてピンときた方はハッキリ言ってかなりの妖怪通。
実はこの男、あの「がしゃどくろ」のモデルとなったとされる国芳の絵、「相馬の古内裏」に描かれている人物である。
あの絵は、ある物語をなぞって描かれており、その物語というのが――
平将門が朝廷に反抗したが願い叶わず死んでしまい、その意志を引き継ぐべく娘であった滝夜叉姫が立ち上がる。
平将門の娘とあって、滝夜叉姫は妖術を用い、妖怪軍団を操ることが出来た。
こいつぁ危ねぇ、と滝夜叉姫征伐に乗り出した勇士がこの大宅太郎光国大宅太郎光国。
しかし簡単に滝夜叉姫が退治されるわけがなく、幻術でもって大宅太郎光国へ襲い掛かった。
その時の様子が、上に画像で紹介した骸骨軍団である。
尚、国芳の描いた巨大骸骨は、その骸骨軍団を一つにしちゃって描いたもので、元の物語に忠実なのは、上で紹介した芳年の絵である。
しかし同じシーンを描いたものが、歌川国芳と月岡芳年の所縁ある二人で解釈に違いがあるのが面白い。
↓は国芳の「相馬の古内裏」