あれ君はまさか……クロッポコ人?
クロッポコ人
くろっぽこじん?
なんだか色々と引っかかるが、とにかくクロッポコ人は富山県に伝わる妖怪で、まぁ妖怪というよりは小人である。
一メートルほどの大きさしかなく、山に住んだり洞窟に住んだりしていて、生活様式は人間とあまり変わりはない。
似ているのである。
富山県という場所さえ除けば、北海道のコロポックルにそっくりではないか。
御存知だとは思うがコロポックルも小人である。
蕗(ふき)の下の小人、というアイヌ語で成るコロポックル。
一寸待って並び替えてみよう。
コロポックル→クロッポコル
!!
そう、カタカナのルが人に変わっていること以外は、コロポックルを並び替えるだけでクロッポコ人の出来上がりなのである。
最初から妖しかったが、これでもうコロポックルとの関連は間違いなさそう。
ここからはロマンいっぱいの想像タイムだが、富山県は丁度鉤爪のような形で海にせり出している県である。
北海道から船で旅に出たアイヌ人が、富山県に流れ着いてコロポックルを教えたが、どう間違ったのかクロッポコになってしまった――とか。
あるいはコロポックルが実在して、富山県に移住したとか。
そもそもアイヌ人の移動に関しては謎が多い。
全国にアイヌ語だと思われる地名が沢山存在することは知っているとは思うが、そもそもアイヌ語と日本語との共通点は結構あるので、強引に解釈すれば全てアイヌ語が元になっていると思えなくもない。
つまりは全国どこにでもアイヌ伝承と似た妖怪が存在していてもおかしくはないのだが、ちょっとこの富山県のクロッポコ人は引っかかる点が多過ぎる。
というかツッコミどころが多過ぎる。雑な感すらある。
コロポックルで蕗の下の人という意味なのだから、クロッポコ人は「人」を強引にくっつけたことでアイヌ語の意味も失われめちゃくちゃになっている。
なんかこう――モヤモヤする妖怪である。