運動会帰りだからって何やってもいいと思うなよクソガキ、な気分なので『月百姿』より「孤家月」
『月百姿』より「孤家月」
さぁさぁまたもや三連休である。そして秋のこの時期、運動会がある子供も多いことと思う。
巷の三連休=僕の無休が確定している相変わらずのファッキンジョブをしている僕でも、通勤時に校庭に飾られた運動会のテント諸々を見ると昔を懐かしんで「いいなぁ」なんて思ったりする。
そして運動会が終われば、上気した身体と心そのままで、母親たち(ここ重要)のだべりの為に子供共々近くの飲食店に流れることになる。
となるとやっぱり楽しかった運動会の勢いのまま子供はわーわーぎゃーぎゃー騒ぎまくりながら親の顔が見てみたい、なんて親が横にいるのに思っちゃうぐらいに散らかして食いやがって、リレーの再現だかなんだかシラネぇけど店内を縦横無尽に走り回りやがって、最後にゃこけて大泣きして宥められて暴れて入口のおもちゃぶっ壊しやがって、そんな様子を厨房から唖然として見る僕等は次第に腹が立ってきて、最後にはまるで安達ヶ原の鬼婆のような「とって喰うぞ」な気持ちに――
――というわけで今日の『月百姿』の一枚は、安達ヶ原の鬼婆、または黒塚、なんて名前でも有名なおばあ様の恐い絵。
妊婦を吊るした恐い絵もそういえば芳年が描いていた。
自分の娘の病気を治す為、妊婦の腹を裂き、そのお腹の中の赤ん坊の肝を取る、という神スキル持ちのおばあ様。
今回の絵は、その鬼婆がまさに今から泊まっている旅人夫婦を襲おうとしている所。
姿勢も恐いし松明の火の具合も恐い。
この婆さんに捕まって吊るされてお腹裂かれるとか何回泣いちゃうかわからん。
さて、話を戻すが、運動会と言えば、僕の場合は組体操である。
あの肉体のみを使って表現される様々なカタチは、それまでの練習と、血と、汗と、涙と、あと骨折しちゃって当日は見学になっちゃったすげぇ可哀相なアイツの怨恨の、結晶なのである。
もし、もう一度組体操をやる機会が出来たとしたら、僕は誰よりも早く前に出て、誰よりも早く手を挙げて――
断る。もうやだよあんなの。