妖怪うぃき的妖怪図鑑

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嵐を願った愚かな僕なので『月百姿』より「雨中月 児島高徳」

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『月百姿』より「雨中月 児島高徳」
 
嵐を願った愚かな僕とは一線を画す程に切実に雨の中祈りを捧げる「児島高徳」。
 
この児島高徳(こじまたかのり)は、南北朝時代の武将であるが、太平記以外に詳しく書かれた資料が無いために実在したかどうかの確証が無いらしい。
 
ーーこの高徳の祈りの絵は、後醍醐天皇の無事を祈ってのものである。
大まかな流れは、
後醍醐天皇の密かな倒幕計画が発覚し大問題に。しかしその時はそこまで大事にならなかったが、まだ鎌倉幕府を倒そうという考えを辞めなかった後醍醐天皇、二度目の倒幕計画がバレ、流石にやばくなる。
京を逃げ出した後醍醐天皇だったが、半端じゃない数の幕府軍に囲まれて余裕で捕まる。
「もうお前天皇じゃないから。あと隠岐に流罪な」
と幕府に命ぜられ、護送団によって運ばれていく後醍醐天皇。
その護送団を急襲し、後醍醐天皇を奪還せしめる! と画策していたのが児島高徳もいる少数部隊。しかしなんと護送団の通るルートを間違えるという大失態で、後醍醐天皇奪還作戦は失敗に。
もう無理じゃね?
な雰囲気の中、児島高徳ただ一人、諦めずに夜、護送団のいる場所を急襲する。
しかしあまりにも警護の兵が多く、やむなく撤退。
その後、近くの桜の木に後醍醐天皇の無事を祈る漢詩を彫り、祈りを捧げた。
 
ーーの、場面である。
なんという果敢な武士か。
尚、その際に彫り込んだ漢詩には「いつかきっとさらなる兵が現れてあなたを導いてくれる」のようなことが書かれていたのだが、その文面通り後に後醍醐天皇は救出され、再度幕府と戦う機会を得ることになる。
 
一人の想いが大事を変えることもたまぁぁぁに、あるのだ!