北斎に学ぶ河童の釣り方
『北斎漫画』より「河童を釣るの法」
北斎漫画の第十二編に描かれている「河童を釣るの法」。
成程、余裕をかました男が、いつでも網を落とせるように罠をしかけ、河童の登場をキセルをふかしながら待っている。
河童は網で捕まえればいいのか!
――って、あれれ?
男の背後には釣ろうとしている筈の河童がひょっこりと現れ、男を狙っているではないか! なんですとぉぉぉぉ!!??
……。
無駄にテンション上げて書いてみたが、とにかくご覧の通り、悠長に河童を待っている筈が逆に狙われている、という滑稽な男の図。
河童は人間のマル秘臓器である「尻小玉」を好むというのに、この男ときたら尻を突出し「どうぞどうぞ」な恰好である。
北斎漫画の絵を紹介する、最初の絵なのでなるべくバカっぽくて妖怪がちゃんと描かれているので探したらこれと出会った。
ずばり真のタイトルは「河童に釣られるの法」なんじゃないだろうか?
ところで、北斎は釣りにいい思い出がないんじゃないか、と思う。
なぜなら、この前の項にも釣りの絵があり、そこではよくある釣りの珍事が描かれている。
『北斎漫画』より「釣りの名人」
魚を狙ったら女の人が釣れました! やったね!
というベタな例であるが、タイトルが皮肉たっぷりに「釣りの名人」なのも面白い。
釣られて笑ってしまった。