猿は神に最も近いのか? 猿神(さるがみ)
猿神(さるがみ)
※画像はカッコいいですがただのサルです。
人間に近く、知能も高い猿が妖怪として存在しないわけがない。
だが、妖怪としての「猿神」はあまり良い妖怪ではない。
名前の通り神として崇められることもある猿神だが、妖怪猿神は基本的に人間に害を為す存在であり、どのような伝承でも退治されるお約束になっている。
この辺りは柳田國男が説いた「神の零落した姿=妖怪」に当てはまり、かつては大層偉かった猿神も、時代を下るごとに邪魔な動物色が濃くなってしまった。
まさに神が零落してしまって妖怪となったいい例ではないか。
また、『今昔物語集』や『宇治拾遺物語』には猿神の妖怪としての物語が収められているが、いずれも「若い娘を生贄にくれ」→「我慢ならねぇ退治するべぇ」→「そして平和になりました」――のヤマタノオロチ退治パターンを踏襲している。
ところで。
「神」という漢字、よく見ると「申(さる)」が入っていることにお気付きだろうか。
そう、神とは、申が示すことであり、サルこそ神に最も近い動物なのだ!
――という、強引な話がある。
しかしそもそもの申の字は落雷をイメージして出来た漢字であり、サル、なんて読まない。
十二支を作った際に強引に動物の名をあて、申には「猿」があてられただけで、言ってしまえばサルでもなんでも良かったのだ。
というわけで猿の皆様には申し訳ないが、猿は神説はウソなのである。
因みに、僕はかつて恋人とのデートで動物園に行った際、猿の岩場コーナーで数体の猿が客にも構わず必死で交尾してるのを見て、物凄く気まずい感じになったことがある。その事だけは一生ウキッキキ。