うらめしうらめし流れ行燈
流れ行燈(ながれあんどん)
大分県に伝わる怪異である「流れ行燈」。
お盆などでお馴染み(?)の精霊流し(しょうりょうながし)の後、それは起こる。
※灯篭流しとも言う。お盆の時期というのは地域毎に異なっているため、一概に「いつ」とは言えない。
大分県稲葉川に伝わる伝承では、お盆の十五夜、精霊流しも終わった頃になると、一つだけ怪しい青い行燈が流れてくるのだという。
それは不気味に明滅を繰り返し、人々の側まで流れ着くと、突然行燈から寝巻姿の女性が飛び出し、水中に飛び込んだり行燈に出たり入ったりしながら「うらめし〜、うらめし〜」と声を出す。
新手の幽霊テロに誰もが腰を抜かすのだという。
正体はかつてこの川で殺された女性の幽霊だと言われている。でしょうね。
ーーところで、精霊流しは現代では汚染の問題等で規模の縮小や取り止めになっているところも増えてきているらしい。
確かに海を汚したりすることにはなるかもしれないが、古き良きしきたりがそういう理由で消えていくのはなんとも複雑な気分である。
うらめし行燈の女性もさぞ鬱憤を溜め込んでしまうことだろう。
くわばらくわばら。