どんどん坊(どんどんぼう)
可拉可拉様提供「どんどん坊」
中国と日本で目撃されるという「どんどん坊」(棟棟坊とも)は、自然界への畏敬の念を失った人々への戒めとして沸いて出た。
植物に無下にされた生物の怨念が宿り、人々を襲うその姿は、日本でも見られる芭蕉の精や古山茶の霊などとは一線を画す恐ろしさである。
特に神を畏れぬ不信人な者や、自然を壊すことになんの罪悪感も持たない者の家を襲う。どんどん坊の人への恨みは凄まじく、標的とされた人間は家の下から根で浸食され、一夜の内にめちゃめちゃに破壊されてしまうのだと言う。
また子供がいれば真っ先に襲われる。
ぬめりと長く伸びる触手で子供を攫い、家の外にある本体が丸のみにし、骨まで溶かして食べてしまう。
いくら泣いてもどんどん坊が許すことはなく、破壊された家を見て、または食べられてしまった子供の衣服を見て、初めて「取り返しのつかないことをした」と絶望することになる。
四川省は成都によく現れるとされているが、近年日本においても目撃されており、日本もまた自然破壊を考え直さねばならない時期が来ているのだとどんどん坊は告げているのかも知れない。
しかし、どんどん坊が出てからでは遅いのである。
「取り返しのつかないことをした」と、我が国が痛感するのもすぐだろう。