『百器徒然袋』とは?
『百器徒然袋』は、1784年(天明4年)に刊行された鳥山石燕の妖怪画集。読みは「ひゃっきつれづれぶくろ」。
『画図百鬼夜行』、『今昔画図続百鬼』、『今昔百鬼拾遺』と続いたシリーズ最後の作品。
この妖怪画集はタイトルも既に「百鬼」を「百器」にし、更に徒然草からの引用が多いのを解り易く「徒然袋」としている等、遊び心に溢れた作品である。
収録妖怪も「百器」からわかるように付喪神が多く、また徒然草からのパロディも多い。
ほとんどの妖怪の解説文最後に「夢のうちにおもひぬ」等と付いており、石燕の創作であることもすぐに解るようになっている。親切!
とにかくいかに石燕が洒落好きな男かが解る面白妖怪画集になっている。
ただし逆に古来から伝承されている妖怪達を求めて見るとがっかりしちゃうかも……なんて夢心地におもひぬ。
また、この『百器徒然袋』を楽しむにあたり、現代にも通ずる深いこと一杯書いてある徒然草を合わせて読んでみると一層楽しめます。
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『画図百鬼夜行』とは?、『今昔画図続百鬼』とは?、『今昔百鬼拾遺』とは?
参考資料:『画図百鬼夜行』 鳥山石燕 画図百鬼夜行全画集