さぎむすめ
『新形三十六怪撰』より「さぎむすめ」
さぎむすめは、舞踊の演目である「鷺娘」を描いたもの。
白と黒のコントラストが映える美しい絵である。
文字通り、鷺が娘と化して舞い踊るシーンであり、現在にも受け継がれている鷺娘は二代目菊之丞が踊ったものだと言われている。一度途絶えかけた菊之丞の鷺娘だが、それを明治時代になって九代目市川團十郎が復活させ、今日に続くものの基礎を作ったらしい。
さて、鳥が娘に化ける話と言えば「鶴の恩返し」が有名である。
しかし色々調べてみると、先に存在したのはどうやらこの「鷺娘」の方。(鷺娘の登場は明治より前の時代。しかし鶴の恩返しが今の形に定着したのは恐らく昭和)つまり鶴の恩返しが鷺娘をモチーフにしたかも、ということ。
まぁ鶴の恩返しはどちらかと言えば「見ちゃダメだよ!」というテーマがメインな気がするから関係無いかも知れないが。
因みに鷺と鶴は外観が似ているが、全く別の鳥。鷺はコウノトリ目サギ科に属するが、鶴はツル目ツル科である。
また、鶴は千年亀は万年、なんて言うが、野生の鶴はせいぜい30年ぐらいしか生きないらしい。
豆知識でした。