足元に気をつけて逝ってらっしゃい――センポク・カンポク
センポク・カンポク
北海道か沖縄の妖怪でしょ? と思ったあなた、残念。
センポク・カンポクは越中(富山県)に伝わる妖怪。
特に富山県南砺市辺りでは、古くからカエルを神聖な生き物として崇める風習があるようで、このセンポクカンポクも体はカエルで人の顔を持つ妖怪と言われている。
このセンポクカンポクは、家に死人が出た際に現れる。
まず最初の一週間は外で番をし、その後の三週間は家の中を守り、それが済むと霊を先導して墓場へと導くのだとか。
なんとも優しい導き手ではないか。
ふと閃いたことがある。これは仏教に則った期間なのではないか? と。
仏教葬儀では、死者は最初の一週間(初七日)で冥土へ行き、最初の審判を受けるべく死出の山の裾野を歩いていく。
センポクカンポクは、死者の魂が無事に冥土旅行できるように番をしてくれているのではないか? この期間はぴったり合う。
そしてその後死者は最初の審判の判決を聞き、三途の川を渡る。んで、色々あってとにかく七回も裁判を受けねばならず、それは合計で四十九日に及ぶ。
うん、もう数が合わないので違うっぽい。
センポクカンポク、一体貴様は何から死人を守っているのだ?
※水木先生は、火車とか魍魎と親類なんじゃん? と言っているが、僕はむしろ敵対関係だと思う。