妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

神社姫

神社姫

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越した先のネット環境が整わないでいて更新が滞っていたが(でなくとも滞っていたが)ようやく開通したのできもちわりーミミズ女みたいな絵の神社姫を紹介して好スタートを切りたいと思う。
予言系妖怪と言えば、クダンアマビエが思い浮かぶが、もしかしたらそれよりもこの神社姫(じんじゃひめ)が思い浮かぶ方もいるかも知れない。

『我衣』という江戸時代の医師が残した書に記されている妖怪で、内容はかなりアマビエに似ている。
肥前国の浜辺に現れたとされ、その姿は二本の角に人の顔というかなり怖いもの。
その妖怪は
「私は龍宮よりの使い、神社姫である。向こう7年は豊作であるが、その後コロリという病が流行るであろう。それを避けたくば私の姿を描いた絵を見ると良い。そうすればコロリを避けられるのみならず長寿を得られるであろう」
そう言い残して消えていったのだという。ちなみにコロリはコレラのこと。じゃじゃまるぴっころころり、のころりではない。ポロリだったっけか。
――事実『我衣』によれば、神社姫の絵を大切に飾る家が多くあったのだとか。
 
さて。実はこの神社姫、予言系妖怪の元祖と言ってもいい妖怪だったりする。
というのも、クダンやアマビエはこの神社姫の逸話を模して創作された妖怪である可能性があるのだ。
神社姫の容姿は、日本版人魚に似ている。人魚と言えば我が国では不幸を知らせる予兆予言の使いとしての伝承も多い。その点からも、神社姫が予言系妖怪の元祖である可能性は高いと思う。
あとは名前である。
神社姫という名前はなんなのだろうか???
龍宮の使いであるから、神社とはこの場合龍宮の事になるのか。
ともかく――神社姫なんて名前からだと、巫女的な美しい神の使いを想像してしまいがちだが、現実は冒頭の画像通りの不気味なナニカである。
ビジンサマを美人だと思ったり、人魚にマーメイドな容姿を期待してしまったりと、我が国の妖怪は期待を裏切り続けてくれるサプライズバケモン達。
神社姫も。妖怪三大ガッカリの中に入れていいんじゃないか、なんて夢のうちにおもひぬ。