モデル系河童ガラッパ
ガラッパ(がらっぱ)
ガラッパをただの河童の訛った野郎と思ってもらっては困る。
奄美大島や南の方の島にしか生息しないと云われる、モデル系カッパなのだ。
というのも、このガラッパ、とにかく手足が長い。セクシーに岩に腰かけようものなら、膝の高さは頭まで届くのだとか。
また、セクシーガラッパはイタズラも大好きで、様々な場所で人間にいたずらをしてくる。だからと言って仕返ししようなんて思ってはいけない。
セクシーガラッパは足は長いが心はガラスなのだ。
超離れた場所であっても、ガラッパの悪口を言おうものなら地獄耳でそれを聞き分け、傷つき、憎む。
セクシーガラッパは足は長いし耳も良いのだ。
ガラッパは、自分も大層セクシーなのに、河童の中でも飛び抜けてスケベで女好きという一面もある。
河原を美女が歩けば、数百メートル下流では美女の色香に惑わされて溺れたガラッパが必ず見れるともいう。
セクシーガラッパは、足は長いし鼻の下も長いのだ。
さて。
そんなガラッパだが、鳴き声はちょっと変わっている。
鵺と同じトラツグミの声とも言われるが、そのほかに「ふんふんふん」と鳴くという説がある。
ふんふんふん、と鳴く生き物は、そうそう存在するものじゃないとは思うが――
セクシーガラッパは足も長いしバスケも巧い(かもしれない)のだ。
そんなガラッパだが、弱点もある。
仏壇に供えたお供え物をあげようとすると、嫌がる(誰でも嫌がると思うけど)。
また、金属系が苦手で、ガラッパさんを口説こうと高級アクセサリーをあげたら死んでしまった――なんて悲しい展開にならないよう注意したい。
河童のイメージを覆す、美形河童のガラッパ。勝手なイメージだけで河童系だからと蔑むのはよくない。人それぞれ河童それぞれ。
そこに妖怪をさらに深く理解するカギが隠されているに違いないと最近思う。