お前のせいか雨の妖怪
雨の妖怪
ジメジメジメジメ本当に鬱陶しい季節がやってきました。
喜ぶのはカエルと河童と八代亜紀ぐらいなもので、それ以外に人々は頭痛くなったり身体かゆくなったりお出かけできなくなったり洗濯物濡れちゃったり生乾きで臭くなったりといいことありません。
BGMにはぜひこちらを↓
そして――グスグスジメジメメソメソ泣きやがるお天道様の涙は僕の頬を伝いおどけた表情で馬鹿にする稀代のブタ顔小僧妖怪雨降り小僧となったのであります。
というわけで鬱々とした曇り空に相応しい雨に纏わる妖怪を紹介しようかなぁと思いますが、案外雨系妖怪って少ないんですよね。
例えばふと思い浮かぶ雨女。これなんかいかにも雨ですが、言葉遊びで石燕が遊郭を風刺したものと解かれてますし、純粋な雨属性では無い感じ。
一方、なぜか雨の日に出ると相場が決まっているのが、怪火です。
怪火なんてめちゃくちゃいっぱい存在いるわけですが、大半が「雨のそぼふる夜に――」みたく雨指定してるんですよね。
純粋に視界が悪くなるからなのか、それとも雰囲気がそうさせるのか、はたまた雨に濡れた身体が火を求めるからなのか。真相は雨の中。
勢いのみで押し切った怪火特集もぜひ↓。
直接雨を名前に冠する妖怪というのは少ないのですが、描かれる絵に雨が加えられていることは多いです。
特に、女性の妖怪。水と女性のコンボは、蛇と女性の連想とも繋がる一つのパターン。
例えば有名な姑獲鳥。
濡れ女。
ドンドコ姐さんこと橋姫。
ざっと雨演出のある妖怪をピックアップしましたが、すごく濃いメンツです。
で、日本での雨の扱いは、雨そのものを神格化したというよりは、「何かの予兆」というニュアンスを持っているのが特徴な気がします。
しとしとと降る雨。
薄暗い雰囲気。
目を凝らすと何かが……何かが近づいて来る……。
って感じのイメージ。
雨乞い、竜神、水神、雷神などなど、多くの呪術的霊的神的要素も含んでいる雨ですから、妖しい雰囲気の演出にはもってこいなのです。
冒頭に貼りつけたYouTubeの動画、八代亜紀の雨の慕情も、「あめあめふれふれもっとふれ。私のいい人連れて来い」と唄ってます。これもやはり雨が予兆になってますね。何真面目に書いちゃってんのかって感じではありますが。
八代亜紀が雨の慕情唄い出すと雨がビッシャビシャに降るコントがありましたが、あれなんでしたっけ? だいじょぶだぁかなぁ。懐かしい。
さてさて、そんな鬱陶しい雨達を撃退すべく現代でも大活躍している妖怪がいるのですがわかりますかね?
そう、テルテル坊主ですね!
その原型となっているのがこの日和坊。
この絵の解説文にも、「今婦人女子てるてる法師なるものを紙にてつくりて晴をいのるは、この霊を奉れるにや」――と書いてあり、既に江戸時代にはてるてる坊主が流行っていたことがわかります。てるてる法師ですが。
しかし。世の中には雨が大好きな方だっているでしょう。
そんな方には、ぜひ骨傘(ほねからかさ)を携帯することをおすすめします。
濡れるのを防いでくれるばかりでなく、解説文に「よく雲をおこし雨をふらす」と書かれています。
この傘自体が雨を呼んでくれるわけですね。もう八代亜紀歓喜ですよ。雨の慕情ヘビロテですよ。団地の奥様方からクレーム殺到ですよ。コンビニ店員ビニール傘の売り上げ1000%増で嬉しい悲鳴ですよ。「そんなに売れて欲しい商品でもないんですけどね」
では、楽しい梅雨時を♪