ビコービコー! ブリブリィ! ←棒振りの音
棒振り(ぼうふり)
擬音の使い方というのは実に地域柄が出ると僕は思っている。
職場の同僚で北海道出身の女性がいるが、これが凄く面白い擬音を良く使う。
「これをですね、スンスンスン、とやればいいんです」
わからない。
「難しいんですけど、コツはウリウリウリっという感覚で撫でることですね」
本当に難しい。
今の職場以外でも、北海道出身の仲間は大体オモロ擬音使いだったので、僕の体感だけではあるが、北海道民はそうなのかも知れないと思う。
それはさておき。
高知県吾川郡に伝わる棒振りという妖怪がいる。
これもまた凄い擬音を駆使する妖怪で、「ビコービコー」という音をたてるらしい。
また別の場所では「ブリブリ」とも呼ばれており、それらの音と共に、目に見えない「何か」が通り過ぎるのだという。
また、ブリブリに関しては実際に人とぶつかったりもするらしく、音だけの怪異ではなく実体も伴っているようだ。
ちょっと起源探しをするにも面白い音過ぎて注意力散漫になってしまうのだが、ブリブリは杵のようなものだとも言われる。
ここである妖怪名がパッと思い浮かんだ方は相当な妖怪マニア。
そう、タテクリカエシである。
そしてタテクリカエシはやはり高知県に伝わっているので、棒振りと似たような妖怪、あるいは同じ妖怪の別称なのかも知れない。
で、それで終われないのが妖怪の深いところ。
「違う名前が付いているのには必ず理由がある」のだ。
それを突き止めるべく数時間色々と調べたのだが結局なにも解らぬまま僕の頭がビコービコーと警報鳴らしはじめて尻からはブリブリと悪鬼羅刹が漏れ出したのでこの時間を棒に振ることになるけれども諦めておやすみなさい。