時をかける猩々(しょうじょう)
猩々(しょうじょう)
猩々は赤い顔、赤い髪をした猿のような妖怪で、お酒が大好きな中国発祥の妖怪である。
猿系妖怪というのは山が本拠地と相場が決まっているのだが、この猩々に関しては日本に伝来してからなぜか海から出る、という妖怪になり伝えられている。
日本各地の実に様々な場所に伝承があり、違う妖怪の特徴を受け継いじゃってる地域もある。
山男や猿の類が中国の猩々に重ねられてそんな伝承になったのでは、と思うが、海から――となったのが実に気になる。まさか中国から泳いで来たわけじゃないだろうし……まさか……ね。
さて、冒頭に使用した画像はオランウータンである。
子供の頃なんかは良く発音した気もするが、年を経てからは「オランウータン」なんて言葉にすること自体少ないのでこの機会にとさっき何度か呟いてニヤニヤして楽しませてもらった。
このオランウータンの事を、中国では「猩々」と呼ぶ。
さて。先に猩々伝説があり、それに似ているからオランウータンを猩々と呼ぶようになったのか、それともそもそもオランウータンの事を最初から猩々と呼んで伝説上の生物化してしまっていたのか、どっちなのか気になる。
というか、架空の生物でもなんでもいいが、とりあえず↑に貼りつけたオランウータンの画像はマジで妖怪に見える。あんなのが木の上にいたら泣いちゃう。
また、世の中には猩々緋という色がある。これは赤系の色だがただの赤よりはちょっと紫がかった感じで、なかなかかっこよい。えんじ色と区別する為に作られたらしいが、そもそもエンジイロが何色なのかわからん僕には無縁の話である。
これは能の演目である「猩々」で使われていた緋色から取った名前とも言うし、その色を見た人々が「モロコシで猩々でも殺して染めてるんじゃろ」と想像してそう呼ばれるようになった説もある。
その色のおかげで、「ショウジョウ」という名を冠した生物というのは一杯いて、ショウジョウトンボだとかショウジョウバエだとか、ショウジョウカ(花)など色々いる。(ただしショウジョウバエに関しては色ではなく、酒好きという猩々の特性からの名前)
まさに時を経て尚使われている妖怪名、すなわち「時をかける猩々」なのである。
強引なのは自覚している。
猩々は未だ謎が多く、姿がサルであったりウシであったりイヌであったり、定まらないのも気になる。
人の言葉を理解したり心を読む、なんて話もあるから、件とか覚とかとも関係ありそう。
更に、七福神の多種多様なバリエーションの一つに、猩々が入っているモノがあったりする。
七福神の中に赤髪の猿?
この辺りも突き詰めると面白そうなのだがちょっと詳しくは解らなかった。
とりあえずタイムリープして調べてくることにする。
強引なのは自覚している。