妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

妖怪足まがり(あしまがり)

足まがり

足まがりは歩いている人の足にまとわりつき、進むのを困難にしたり転ばせたりする妖怪である。
この妖怪が伝わるのは四国は香川県であり、四国といえばタヌキ。この妖怪もやっぱり確定ではないものの狐狸の仕業であるという説が濃厚である。
ちなみに「まがり」とは「曲がる」ではなく「まとわりつく」という意味の方言である。足にまとわりつく妖怪だから、足まがり。
 
足まがりは綿のようだとも、また糸のようなものを絡め付かせてくる、などと伝わるが、目撃されることは無かったという。
というか姿の無い妖怪なのだろう。
(※ただ、『讃岐郷土異聞』という書には「白い狸」と書かれており、遭遇者が見たとされている)
 
四国に伝わってはいるものの、何もない所でいきなり派手に転ぶ人は案外どこにでもいるので、全国規模で勢力を拡大し続けているのだろう。
 
また、四国には「足まがり」とほぼ同じ性質の怪異が多く伝わっている。
ここからは推測だが、四国遍路からも解るように四国はとにかく「歩く」修行のメッカである。(四国八十八か所巡りの以前、平安時代からも、四国は海岸を繋げて渡り歩く修行の地とされていたりする)
となると、霊験あらたかな修行なのに足が重くて進めないよぅ――といった状況を説明する為に妖怪のせいにした……とかではなかろうか。
今なんとなく思いついただけなので真偽は判らないが、四国に集中しているのは偶然ではないだろうし。
 
――が、今や足まがりはポピュラーな妖怪。
僕は毎朝、もう家を出なくてはならない時間が近づくと、足取りが重くなり、突然時間のかかる家事をしたくなったりする。足まがりに加えてへそ曲がりまで襲ってくるのだから一苦労。日々妖怪との戦いである。