樹木子(じゅぼっこ)ごっこで熱い夜を

樹木子(じゅぼっこ)

樹木子。名前の可愛らしさとは裏腹に、この木の妖怪は人の血を多く吸い込んだ恐ろしい木である。

かつて戦場だった場所や、処刑場だった場所に産まれ易いのだと言う。

木は古くから聖なるものとされる事が多かった。しかし、恐ろしい木の妖怪というのは珍しい。

この樹木子はただ佇んでいるだけの妖怪樹ではない。道行く人をたっぷりと血を含み伸びた枝で絡め取り、生き血を吸うというのだ。いわくつきの場所に生えている木の側を通る際は、注意深く通る必要があるだろう。

ただ、この樹木子は古くから伝承されている妖怪ではない可能性が高く、創作妖怪だろうとされている。

それでもこの樹木子人気が凄いのは、カップル達が夜に行う「樹木子ごっこ」のお陰であろう。

ーー樹木子ごっことは、布団に入っている恋人同士が、片方が樹木子役、もう片方が血を吸われる役になって行うアブノーマルな遊びである。

特に男性が樹木子役をやることが多く、「樹木子だぞぉ」と叫びながら女性の体をやたらめったら吸ったり撫でたりする。樹木子役が真剣であればあるほど盛り上がる。

また、少し生々しいが生理中でモンモンとしているカップルの間では特に人気の遊びらしい。リアルさも申し分無い。

樹木子ごっこでマンネリ化した夜の営みに終止符を打ち、さらに子供も作って名前を「樹木子」にしてキラキラネームランキング入りを狙うのもいいかもしれない。

ただし周囲からフルボッコにされても当妖怪図鑑は一切の責任を負いません。