妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

鳳凰が朱雀を経て火の鳥からフェニックス!

鳳凰(ほうおう)
 
タイトルがややこしいが、鳳凰について。
日本でも鳳凰は一万円札に描かれていたり、ゲーム、漫画その他色々な媒体でよく出てくる比較的メジャーな鳥だとは思う。
特に鳳凰と聞いて西洋のフェニックスを連想する方も多いはず。
 
しかしフェニックスと鳳凰が繋がってしまうのには紆余曲折の理由があり、本当は元を別とする妖怪(神獣)であった。
それを紐解く上でキーワードとなるのが、「火の鳥」と「五行思想」である。
 
ーー一旦話が逸れるが、フランスのバンド『phoenix』の曲で「Entertainment」という曲があり、これが中国的なメロディとモロ韓国ドラマな公式PVのノリノリな良曲なので紹介しておく。(PVにphoenixのメンバーが出てこないっていうオモロイPV。ただし内容は極めて意味不明)
・・・・・・いや、ほら、phoenixと中国の鳳凰っていう流れだったじゃん?
 
尚、phoenixはこういう中国・韓国的路線ではなく落ち着いたオシャレな曲が多いので興味を持ったら是非他にも聴いてみて欲しい。こういう曲を作ったのは、純粋にアジアに興味を持ってくれてるかららしい。(phoenixは東京が舞台の映画『ロスト・イン・トランスレーション』にも曲を提供してる)
 
ーー話を戻す。
鳳凰とよく同じものと勘違いされて言われる鳥の代表格が「フェニックス」。
だが真実は容姿も特性も異なる別の神獣。
フェニックスは西洋の様々な所に伝わる鳥で、その血を飲めば不老不死となり、フェニックス自身もデフォで永遠の時を生き永らえると言われる。
不死鳥、または火の鳥とも呼ばれるのだが、この「火の鳥」という要素が鳳凰との混乱の元になっている。
 
鳳凰は太古の中国から伝わる神獣であったが、後年流行した「五行思想」が、方角を司る霊獣の、南(さらに火の属性)を守る霊獣としてこの鳳凰を採用、さらに名前を「朱雀」と改めた。
※北は玄武、東が青龍、西が白虎。
 
これにより、鳳凰=朱雀=火の属性、という鳳凰の予期せぬ勘違いが起きてしまい、更に西洋のフェニックスが火の鳥であることから、フェニックス=朱雀=鳳凰、というこれまた鳳凰も大迷惑の勘違いが起きてしまった。
 
では鳳凰とフェニックスの違いを聞かれたらどう答えればいいかと言うと、
「鳳凰はオスとメスがいて、孔雀みたいな容姿で、ルーツは多分インド」
「フェニックスはオスメスの区別がなくて、火を食って、不老不死で、容姿はタカっぽくて、ルーツはエジプト」
ーーな感じで良いかと思う。
 
尚、手塚治虫の不朽の名作『火の鳥』は、鳳凰のような容姿にフェニックスのような特性という、確信犯的な鳥が出てくる。
鳳凰編なんていう編もあったし、火の鳥が自らを焼いて生まれ変わるシーンもあったし、手塚治虫先生は鳳凰もフェニックスも熟知した上でいいとこどりしたのは確実。
火の鳥は、どの編が一番面白いか、なんて順位を付けるのも野暮に感じてしまう程にどのエピソードも素晴らしい。ただ、幼い頃に読み漁った僕は少しトラウマになっているエピソードもあったりする。
あの本からは何か神秘的な力が出ていた。あれもまた霊獣神獣の成せる業か。