覚悟を胸に、たこやきを食べているので『月百姿』より「雨後の山月 時致」
『月百姿』より「雨後の山月 時致」
地獄の三連休2セットを、休日は二日間のみというなかなかしんどい二週間を壊滅的メンタルで乗り切り、すっかりロンリーけれどもフリーダムになった僕は冷凍食品のたこやきを買って帰り、お酒もいつもよりちょっと良いものを買い、今現在楽しく大量の洗濯物を洗う傍ら晩酌なう←なうって便利。
さて、冒頭から話は逸れるが、この月岡芳年の『月百姿』シリーズを紹介する際、少し他のカテゴリのものとは違う感じの記事にしている。
それは、自分の近況であるとか、その時世間で起きていること――つまりは時事ネタを入れ込んだ記事にしちゃおうとしていることである。
妖怪図鑑という性質上、いつ、誰が訪れてきても、そういった「書いた時期」は感じないようにすべきなのであるが、『月百姿』紹介というのは少し妖怪とはズレているということもあるし、芳年がこのシリーズを描く際には色々と苦悶したと聞く。
ならば僕もこの『月百姿』を紹介する時には、自らのその時起きていたことを色々書いちゃおう、となんとなく決めたのである。
――それはともかく。
今回紹介する「雨後の山月 時致」の画題を見て、何のシーンを描いたものかすぐに解る方はちょっと僕尊敬しちゃう。
正直、色々調べた後に「あ~アレかぁ!」となるのが多い。
実はこの絵は、かつて紹介した『百器徒然袋』の無垢行縢(むくむかばき)というかなりマニアックな妖怪の、元になったエピソードである曾我兄弟の仇討のワンシーンである。
詳しくは無垢行縢のリンクで確認して欲しいが、とにかく父親を殺された曾我兄弟の仇討の話であり、『月百姿』に描かれているかっこいいお兄さんは兄弟の弟の曾我時致(そがときむね)である。
今まさに仇を討たんと腕まくりをして月を見上げる。
そこには雨後の雲から覗く月。
渋い。ただただ渋い。時致はかっこつけてるようにも見えるが、それでもなんか渋い。
真の覚悟とは、このように重々しくない自然な状態であるべきである。
僕はたこやき用の鉄板を持っている。
それでも、スーパーの冷凍食品を買う事を選んだ。
7個入りのソース無しと、20個入りのソース付き。
今、僕はたこやきが食べたい。しかしそれは今だけであり、明日はお好み焼きが食べたいのかも知れないのだ。
故に僕は覚悟を決め、7個入りを手に取った。
隣には餃子。
今、僕は餃子が食べたいのか? いや違う。でも、食べたい気もする。
故に僕は覚悟を決め、餃子もカゴにぶち込んだ。荒々しく、豪快に。
一体覚悟とはなんなのか?
答えはネットにある。
PCから見ているあなた、ぜひ「覚悟」という言葉だけで検索してみてほしい。
ネットは僕に教えてくれた。覚悟のなんたるかを。
覚悟とは――コトバンク。
であると。なんのこっちゃ。