頽馬(たいば)

『想山著聞奇集』より「頽馬の事」

頽馬とは、馬が突然急死してしまう怪異のこと。

大元の伝承では「馬を殺す魔性の風」とされているが、その風を妖怪として描いた「馬魔(ぎば)」という妖怪も存在しており、愛知県や岐阜県の伝承に出てくる。

↑の画像は頽馬というよりは馬魔を描いたもの。

馬魔は、玉虫色の馬に乗った小さな女が天空より現れ、馬に凸ってくるのだという。馬魔に狙われ、突撃された馬は暴れた挙句に絶命してしまうのだとか。

現代においても頽馬除けのお札が売られている神社もあり、もしかしたら馬に詳しい方や馬を飼っている方なら知っているのかもしれない。

原因はやはり明確にはわかっておらず、様々な説があるものの結局憶測の域を出ない。

他の怪異同様、馬の急死が理解できない昔の人が、それを妖怪や怪異のせいにするのも仕方がないのだろう。

余談だが、頽馬の頽の字は、「くずれる」などの意味を持つ漢字(普段使ったことなんかまず無いだろうけど)。

馬が崩れる、というほどの意味で頽馬なのだ。

この漢字を出すのにすげぇ苦労したので執念で検索。

魔性の風が吹いたんだぜ。