妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

大鯰(おおなまず)

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歌川国芳画『ナマズ』

↑の絵はなんのことはないただのナマズ。
しかしそのヌメヌメした身体と風貌からだろうか、古来よりしばし妖怪のように扱われることの多かった不幸なヤツである。

その最たる例とも言えるのが大鯰。
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鯰絵

江戸時代より前の時代では、地震などは地下に住む竜の仕業となっていた。
それがいつの間にかナマズの仕業となり、江戸時代に起きた安政の大地震以後は特にそれは顕著になった。

さて。
ではナマズが地震を起こすという言い伝えが広まったのはなぜなのか?
について考えてみる。
実はその江戸時代に起きた安政の大地震の時、ナマズが異変を起こしていたという話が残っている。
ある男がいつも通りウナギ釣りに行くと、ウナギは全く見当たらず、ナマズばかりが暴れていたという。
暴れて混乱するナマズを数匹釣り上げたものの、男はなんだか不気味に感じた。
というのも、ナマズは地震を予知するという噂を聞いていたから。
男は万が一に備え、地震への備えをした。すると案の定、大地震が起こり、男は備えたお陰で被害をほとんど受けなかったのだという。


ーーつまり、やはりどこかから適当に湧いて出た話では無く、しっかりと根拠のある言い伝えだったのだ。
それだけではなく、現代でナマズと地震の関係を調べたら、やはりナマズは地震予知と無関係では無いことがわかってきたらしい。
ナマズは電気的な刺激に物凄く敏感で、(人間などの百万倍ぐらい敏感だとか)地震発生時の微弱な電磁波をいち早く察知している、可能性がある、というのだ。

言い伝えというのはちゃんと根拠と理由があって初めて伝わるもの。
江戸時代の人達すげー!

いつかもっと科学が発達したら、本当にナマズで地震予知が出来るようになるかも知れない。これはマジで。