しうねん、執念
葛飾北斎『百物語』より「しうねん」
蛇は嫉妬や執念の象徴としてよく描かれる。
北斎が『百物語』内で描いたこの「しうねん」も、なかなか凄い執念である。
恐らくはこの世に未練を残した者が、自らの位牌を前にしてもなお怯むことなく蛇の姿を保ち続けている。恐ろしい執念。
蛇が執念の象徴とされるのは、日本だけでなく様々な文化でも見られる。
尾の長さや、脱皮を繰り返すことなどから「生と死」、「無限」を表す象徴として描かれるようになったのだろう。
日本では嫉妬深さや執念深さを女性の特性とし、女性が化ける妖怪や、また蛇の妖怪は多くが女性で描かれてきた。
この妖怪図鑑でも多くの蛇妖怪を紹介してきたので、少し載せておく。
超絶執念の女ストーカー、道成寺の清姫。
悶絶ロングテール、逢ったら最後の濡れ女。
絶対北斎と被ってる、傷を受けた執念の手負い蛇。
ふむ、図鑑が充実してくるとこういう便利なリンク貼れてニヤニヤです。
ここまで妖怪を紹介してこれたのも、まさに「しうねん」!