蛇骨婆(じゃこつばば)
『今昔百鬼拾遺』より「蛇骨婆」
もろこし巫咸国は女丑の北にあり
右の手に青蛇をとり、左の手に赤蛇をとる人すめるとぞ、蛇骨婆は此の国の人か
或説に云、蛇塚の蛇五右衛門といへるものゝ妻なり
よりと蛇五婆と呼びしを、訛りて蛇骨婆といふと
未詳
鳥山石燕の妖怪画集『今昔百鬼拾遺』におけるババア3連発ゾーンの最後を飾るのがこの蛇骨婆。
※載っている順に古庫裏婆、白粉婆、蛇骨婆となっている超高齢帯なのだ。
この蛇骨婆は、石燕の解説に依れば中国の巫咸国(ぶかんこく)という巫女ばかりが集まる国に、左手に赤い蛇、右手に青い蛇を持った人々がおり、この蛇骨婆もその国の出身者なんじゃないかな――と書かれている。
蛇はともかく、巫女ばかりの国というのは神職フェチの巫女さんヲタには聖地であろう。ただ、当然我が国における巫女とは意味合いも恰好も違うとは思うが。。。
名前が「蛇骨婆」だから、まるで蛇の骨を持つばあちゃんと思いがちだが、なんのことは無い蛇を普通に肩にかけて持っているだけである。
この名前は、蛇骨婆が蛇五右衛門(じゃごえもん)という名の男の妻であることから、その妻を蛇五婆(じゃごばあ)と呼び、それが訛って「蛇骨婆」になっただけらしい。
どうでもいい話題かもしれないが、『今昔百鬼拾遺』におけるババアゾーンのババア妖怪の中では、一番元気そうなおばあちゃんである。
お婆ちゃん達、これからも元気でね!