輪入道(わにゅうどう)
『今昔画図続百鬼』より「輪入道」
輪入道は、見ただけで魂を抜かれてしまうという非常に恐ろしい妖怪。
牛車の片輪中央に顔が浮かんでいる容姿で、これは妖怪「片輪車」に伝わる伝承のうち、京都で目撃されたと伝わるバージョンを別の妖怪として描いたものだと言われている。つまり元は片輪車だった可能性が高い、ということ。
石燕の解説文には、恐ろしい輪入道への対処法として、「此所勝母の里」と手紙に書いて戸口に貼っておくと輪入道は近寄れないのだという。
此所勝母の里の由来は、中国の『史記』によるもの。孔子の門人であった曾子という者が、「勝母の里」という場所に来た際、母に勝つという名前が許せなかったらしく、その里へ立ち入るのをやめたのだという。
どうして輪入道とこれが結びつくのかは僕にはわからないが、とにかく「ここは勝母の里だよ」と書いとけば輪入道を封じれるらしい。つまり輪入道の正体は曾子なのか!!??
話は逸れるが、セガの作ったスマホ向けアプリ『百鬼大戦絵巻』において、僕は輪入道デッキがお気に入りでした。もうやってないけど。……でっていう。
画中解説文
車の轂に大なる入道の首つきたるが 、かた輪にてをのれとめぐりありくあり。
これをみる者魂を失う。此所勝母の里と紙にかきて家の出入の戸におせば、あへてちかづく事なしとぞ。
うぃき訳
車輪に入道の首が付いた妖怪が、片輪で「をのれ」と言いながら走り回ってるよ。
これを見ちゃうと魂を抜かれるよ。
ただ、「此所勝母の里」と手紙に書いて家の戸口に貼っておけば近づかれないんだよ。