鍛治が婆(かじがばば)
『絵本百物語』より「鍛治が婆」
狼がばばぁを食い殺して乗り移った妖怪。
『絵本百物語』によるとーー
ある鍛治職人の妻が、刀代の残金を受け取りに出かけたところ、帰りにオオカミに囲まれて食い殺されてしまった。
それ以来その妻が幽霊となって旅人を捕り食らうようになった。
しかしある日、郷土の逸作という男が白毛のオオカミを殺してから、その妻の霊は出なくなったと言う。
画中解説文
土佐国野根と云処に鍛冶屋ありしが、女房を狼の食殺しのり移りて、飛石といふ所にて人をとりくらひしといふ。
うぃき訳
土佐の国(高知県)野根という所に鍛冶屋がいたよ。狼がその鍛冶屋の女房を食い殺して乗り移り、飛石という所で人を捕り食らうようになったんだ。