妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

『月百姿』

男がダメ、とやかましかったので『月百姿』より「かしかまし 野もせにすたく虫の音よ 我たになかく ものをこそおもへ」

『月百姿』より「かしかまし 野もせにすたく虫の音よ 我たになかく ものをこそおもへ」 職場にて、主婦三人が、僕の前で激論を交わしていた。テーマは「イマドキの男」である。 女の子は何かと良いらしい。しかし男はダメなのだそうだ。 覇気がない、無難に…

調布市役所の本気を見たので『月百姿』より「調布里の月」

『月百姿』より「調布里の月」 数週間前、国民健康保険が支払われていない、とのことで調布市役所から連絡がありました。たまたま仕事中で出れなかったのですぐにかけ直して(歯医者通ってるし困るので)、今さっきお電話をいただいたんですが……、と告げるも…

意味の解らぬ言葉達『月百姿』より「史家村月夜 九紋龍」

『月百姿』より「史家村月夜 九紋龍」 今年もマスクを買った。 お徳用の一杯入ってるやつ。 毎回違うのを買ってしまうので、時には耳に掛けるヒモが細くて痛かったり、予想以上にサイズが小さくてキツかったりと失敗も多い。 しかし今回買ったのは今までの中…

真に心に響く音楽――『月百姿』より「五節の命婦」

『月百姿』より「五節の命婦」 楽しい、癒される、飽きない、気持ちいい。 音楽は実に様々な感情を呼び起こしてくれる。 ただ、真に心に響く音楽というのはやっぱりどうしても少ない。 それはもちろん人によるだろうし、膨大な「心に響きまくる曲」をストッ…

やる気ってどこに売ってます? 『月百姿』より「心観月」

やる気が無い時によく考える。やる気はどこで買えるのか? 自動販売機で150ml入りと同じぐらいの、ちょっと高めの値段で売っててもいいようなモンなのに売ってない。 ヤフオクで誰か出品してんじゃね? と思ってヤフオク見ても売ってない。何で? 何よりも需…

普段気付かぬ美しい風景を惜しんで『月百姿』より「おもひきや 雲ゐの秋のそらならて 竹あむ窓の月を見んとは 秀次」

『月百姿』より「おもひきや 雲ゐの秋のそらならて 竹あむ窓の月を見んとは 秀次」 なんとも皮肉であるが、屋外に満ち満ちている季節を感じさせるような美しい風景、風の匂い、雰囲気というのは、特殊な状況であればあるほどにその素晴らしさを強く感じるこ…

ただ今日も待っているので『月百姿』より「やすらはで寝なましものを 小夜ふけて かたふく迄の月を見しかな」

『月百姿』より「やすらはで寝なましものを 小夜ふけて かたふく迄の月を見しかな」 待つ、というのが嫌いである。 だというのに(または、だからこそ)僕という奴は多くの場合であえて自ら「待つ」事をしてしまう。 待ち合わせがあったとしたら、必ずその十…

掴みたい気分なので『月百姿』より「玉兎 孫悟空」

『月百姿』より「玉兎 孫悟空」 つっかっもうぜ! ドラゴンボール! 世界でいっとー 世界でいっとー 世界でいっ兎ー 世界でいっ兎ー! ――というわけで、今宵の『月百姿』の一枚は「玉兎 孫悟空」である。 因みに、本当のドラゴンボールの曲の歌詞は「いっ兎…

主の為に命を懸けるその気持ちを考えてみたので『月百姿』より「信仰の三日月 幸盛」

『月百姿』より「信仰の三日月 幸盛」 月岡芳年の『月百姿』の中でも、「月」が背景や空にではなく兜にあるというのは珍しい。 この絵は戦国武将である山中鹿之介(幸盛)を描いたもの。他の絵とは異なり、ただ凛々しく前を向き構える様が逆にシビレル。 妖…

藤原の効果と聞いたので『月百姿』より「住吉の名月 定家」

『月百姿』より「住吉の名月 定家」 台風27号と28号のダブルアタックにより、世間は何やら聞き慣れぬ「藤原の効果」とやらが飛び交っている。 要は藤原の効果というのは、二つの台風が接近することにより、予測できない動きをする現象のことで、これを提唱し…

女子高生の恋バナにおっさんな僕は素直にときめいたので『月百姿』より「田毎ある中にもつらき辻君のかほさらしなや園の月かげ 一とせ」

『月百姿』より「田毎ある中にもつらき辻君のかほさらしなや園の月かげ 一とせ」 ウソッ!? マジ⁉ えぇぇぇ超かっこいいじゃぁぁん。ていうかなんで一か月しか付き合わなかったわけ? もったいなくない? ……はぁ。 お店のバイトの子が、友達数人を連れて来…

ハリウッドの忠臣蔵ェ……『月百姿』より「雪後の暁月 小林平八郎」

『月百姿』より「雪後の暁月 小林平八郎」 休日だったので数記事書いたしもういいだろう、とネット上を彷徨っていると、とんでもない動画に出遭ってしまった。 その動画が何であるかは後にして、ここで紹介する『月百姿』の一枚は「雪後の暁月 小林平八郎」…

やってやる!『月百姿』より「山城小栗栖月」

『月百姿』より「山城小栗栖月」 やってやる! やってやるぞ! ――なんていう意味不明な意志だけ持ち続け、一体何を「やってやる」つもりなのか最早自分で解らなくなり、気付けばいい年齢な僕である。 歳を重ねるにつれ、周囲からのアドバイスも段々と生々し…

みなさんのおかげです、な気分なので『月百姿』より「霜満軍営秋気清 数行過雁月三更 謙信」

『月百姿』より「霜満軍営秋気清 数行過雁月三更 謙信」 当初目標としていたこの妖怪図鑑の記事数500を実はちょっと前にクリアした。 本当は「500種類の妖怪」でクリアしたかったので特にどこかで言ったりはしなかったが、地味に一人感慨深くその感動…

ささやかな楽しみを糧に 『月百姿』より「たのしみは夕顔たなのゆう涼 男はててら女はふたのして」

『月百姿』より「たのしみは夕顔たなのゆう涼 男はててら女はふたのして」 どんなに平凡でつまらぬ毎日でも、何か一つ楽しみなことがあるだけで随分と幸せな気分になれるものである。 僕なんかはやっぱり帰宅して一息ついて、風呂場に妖怪が沸いてやしねぇか…

運動会帰りだからって何やってもいいと思うなよクソガキ、な気分なので『月百姿』より「孤家月」

『月百姿』より「孤家月」 さぁさぁまたもや三連休である。そして秋のこの時期、運動会がある子供も多いことと思う。 巷の三連休=僕の無休が確定している相変わらずのファッキンジョブをしている僕でも、通勤時に校庭に飾られた運動会のテント諸々を見ると昔…

些細な言葉も立派な「呪い」になると思うんだ 『月百姿』より「月のものくるひ 文ひろげ」

「月のものくるひ 文ひろげ」 数年前に働いていた職場で、僕を凄く良く面倒見てくれた年配の女性がいた。 数年間勤めて、辞める事になった際、その人は僕にこう言った。 「あんたのこと絶対許さないから」 特に仲違いしていたわけでも無かったけれど、辞める…

妖しく厭な風が吹いているので『月百姿』より「忍丘月 玉渕斎」

『月百姿』より「忍丘月 玉渕斎」 今日の夕方、東京都三鷹市で女子校生の女の子が刺される事件が起きた事はニュースを見ていた人は知っていると思う。 何を隠そう、その事件現場が、僕の職場から物凄く近かったのだ。 そのような狂気に満ちた事件を過去にニ…

祭りの後に……『月百姿』より「神事残月」

『月百姿』より「神事残月」 祭りというのは「祀る」が元であり、いわば一つの儀式である。 出店や山車、またそれを楽しむ人々もまたその儀式に参加しているわけで、ちゃんと「祭り」しているわけである。 さて。お祭りというのは特に「この時期に!」という…

話は最後まで聞きましょう『月百姿』より「三日月の頃より待し今宵哉 翁」

『月百姿』より「三日月の頃より待し今宵哉 翁」 少しだけの情報で全てを知ったような気になることは誰にでもあるだろう。 僕もある。 んが、往々にしてそういう場合は恥をかくことになっている。 実はこの妖怪図鑑を更新している際にも、そういうことが結構…

イスを買ったら部屋に入らなかったので『月百姿』より「月夜釜」

『月百姿』より「月夜釜 小鮒の源吾 鳴矢伴蔵」 ちょっと前の話になるが、今までホームセンターの凄く安い座椅子に座ってパソコンをいじるのが常であったのだが、ある日ふと厭になった。 というのも座椅子がペシャンコになっていたのもあるし、何より尻がす…

後悔ばかりの日々なので『月百姿』より「吼かい」

『月百姿』より「吼噦」 恋人と別れて一週間近くが経った。 誰かが僕に「別れた後のあの悲しみですけど、一週間もすればびっくりするほど薄れちゃうもんですよ」と言っていた。 マジだった。 もう随分と前を向き、かといって忘れようとするのではなく、進み…

火の用心と図鑑なのに図なし妖怪が燃え上がったと聞いたので『月百姿』より「烟中月」

『月百姿』より「烟中月」 てぇへんだぁぁぁ!! 火事だ火事だぁぁぁ!! というわけで今宵の『月百姿』の一枚は「烟中月」。 芳年のセンスがごうごうと燃え盛るかのように現れている最高にかっこいい絵である。月は火消しの持ったデカイ丸ではなく、ちゃん…

覚悟を胸に、たこやきを食べているので『月百姿』より「雨後の山月 時致」

『月百姿』より「雨後の山月 時致」 地獄の三連休2セットを、休日は二日間のみというなかなかしんどい二週間を壊滅的メンタルで乗り切り、すっかりロンリーけれどもフリーダムになった僕は冷凍食品のたこやきを買って帰り、お酒もいつもよりちょっと良いも…

さよならとまたいつか『月百姿』より「銀河月」

『月百姿』より「銀河月」 二年半近く連れ添った恋人と、すったもんだの挙句ついにさよならしました。 つい最近の事です。 最後に逢って話した日、「きっとまた戻りたくなると思う」と言っていました。 じゃあなぜ? しかしそういう場合の「じゃあなんでーー…

秋が来た感があるので『月百姿』より「読書の月 子路」

『月百姿』より「読書の月 子路」 寒い。 妖怪へぇこいたの弱点は冷気である。しかしこの寒さもまた、夏をや春を待ち焦がれるのに必要な要素なのだから困る。 秋と言えば読書。いや、最早何だって「――の秋」としてしまって良いような風潮があるのでなんだか…

中秋の名月と聞いたので『月百姿』より「月宮迎 竹とり」

『月百姿』より「月宮迎 竹とり」 今宵は中秋の名月が見れるとのこと。 この記事を9月19日以降に読んだあなた! 残念!! しかし色々誤解されているかも知れないが、旧暦の8月15日(今年は9月19日のこと。ややこしい)に見られる月の事を「中秋の名月」と呼…

なんかもう色々疲れたので『月百姿』より「月の四の緒 蝉丸」

『月百姿』より「月の四の緒 蝉丸」 これやこの 行くも帰るも分かれては 知るも知らぬも逢坂の関 ――の百人一首でも有名な蝉丸は平安時代の歌人。 盲目であったと言われるが、琵琶の演奏が凄く上手かったらしい。 疲れたり憑かれた時には、じたばたせずにアコ…

嵐を願った愚かな僕なので『月百姿』より「雨中月 児島高徳」

『月百姿』より「雨中月 児島高徳」 嵐を願った愚かな僕とは一線を画す程に切実に雨の中祈りを捧げる「児島高徳」。 この児島高徳(こじまたかのり)は、南北朝時代の武将であるが、太平記以外に詳しく書かれた資料が無いために実在したかどうかの確証が無いら…

嵐になると聞いたので『月百姿』より「大物海上月」

『月百姿』より「大物海上月」 月岡芳年の『月百姿』シリーズで月物落としのコーナー。 この記事を書いている時点で、台風が直撃とのニュースを聞いたので、今宵は荒れ狂う海を行く源義経一行の、特に武蔵坊弁慶に視点を置いた演目『船弁慶』を描いたこの「…